夏のスーパースペシャル体験が開催されました

8月26日(土)に夏のスーパースペシャル体験入学が開催されました。
毎年、夏休みに開催されるスーパースペシャル体験入学は、IPCグループ校の先生たちが「定説」や「不思議」にチャレンジし、その内容を発表するいわば「先生たちの研究発表会」のようなものです。と、いっても体験入学に参加される方々にわかりやすく説明しているので、学術発表のような内容ではありません。
今回のテーマは①犬の抜け毛について②夫婦喧嘩は犬も食わないは本当か?③ネコパンチは犬にまねできないのか?
の3つのテーマでした。

まず、①についてですが、皆さんはペットショップに行って店員さんから「マルチーズやトイプードルは抜け毛が少なくて飼いやすいですよ」と言われたことはありませんか?これについて先生たちがその実証をしたわけです。犬種は①マルチーズ②トイプードル③Mダックス④チワワ⑤柴犬⑥ゴールデンレトリバーを対象にして、全72頭に同じ実験をしました。実験方法は①犬の背中で10cm四方に3回スリッカーブラシを入れる②その抜け毛を何本あるか調べる。③また平均的な太さ、その毛をつなげるとどのくらいの長さになるかも調べる。というものでした。みなさんもご存じのように犬の毛は細いので、クーラーの風でも揺らいだり飛んだりしてしまうため、夏の暑い中、クーラーを切って夜遅くまで実証作業に取り組みました。
で、結論は抜け毛の最も少なかったのはマルチーズ、トイプードル。最も抜け毛の本数・長かったのがゴールデンレトリーバー。抜け毛の毛量が一番多かったのが柴犬でした。その違いは3000倍以上という結論が出たのです。ペットショップの店員さんは正しかったわけです。

次に夫婦喧嘩は犬も食わない?を確かめるために先生たちが行なった方法は、先生が口喧嘩をして、その間に犬がどういう行動をとるかという極めてオーソドックスな方法でした。本当に夫婦喧嘩は犬も食わないのなら、犬は喧嘩をしている2人に対して①無視をして距離をとる②遠くから吠え続けるなどが考えられるのですが、結論は意外なものでした。それは怒っている人のほうを見続けているというものでした。しかも、けっこう多くの犬が「フセ」をしながら見続けているのです。先生たちがつけた結論は①犬は喧嘩している2人のうち大きな声をあげて怒っている人を気にしている②とばっちりを受けないようにフセをして服従の意思を示しているということでした。言い換えれば犬は争いを好まない生き物だともいえるかもしれません。要するに「犬は夫婦喧嘩に興味シンシンで、とばっちりを受けないようにいい子にしている」が正しい答えといえます。
最後のテーマですが答えを先に言うと。犬には鎖骨がないためネコパンチのような腕の振り方ができないという理由です。これは定説として教科書や多くの論文に記載されています。先生たちはこの定説を立証しようと最新の医療機器、レントゲンはもちろんエコー、CTスキャンなどを用いて生きている犬と猫の骨格を撮影し、定説が真実であることを立証しようとしました。しかし、CTで撮影した犬の中に鎖骨がはっきり映っている犬がいたのです。犬種はブルドッグ、そこでいろいろな論文を再度あたってみたところ、犬は進化の過程で鎖骨をちいさくしてきたのであって、失ってしまったのではないという定説に反論する論文を見つけたのです。結局のところこの論文が述べるように犬の鎖骨はわずかではあるが残っており、犬種や個体によっては鎖骨が大きく残っている(発達した?)ケースがあるということでした。

体験に参加された方々は、初めて目にし、聞くことに目を丸くして聞いていました。

 

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